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【しくじり体験談】中古住宅購入によって「車の維持費」が払えなくなってしまう…?
住宅ローンの返済に問題を抱えている人の借入総額は「年間1兆円」です。
(出典:住宅金融支援機構2015~2019年のリスク管理債権5年間の平均9,613億円)
実は私(掛布)も、住宅購入で「しくじった」経験があります。
当時、勤務先の工務店でマイホームを建築していましたが、建築中にその工務店が倒産し、未完成の家と借金が残りました。また、転職したことで年収にも変化があり、非常に苦しみました。
「クラシカエル不動産」は、同じような失敗をしてほしくないという思いから、2021年12月に立ち上げた会社です。
今回は、1,000件以上の不動産販売実績がある私が、住宅販売会社やお客様の事前相談で聞いた「住宅ローンと車両費」に関する失敗エピソードを紹介しながら、資金計画の作り方をお伝えいたします。
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世帯年収600万円で2,000万円の中古住宅を購入した4人家族
家族構成 | 4人家族(夫・妻・未就学の子ども2人) |
世帯年収 | 600万円(夫:500万円、妻:100万円) |
世帯貯蓄額 | 100万円 |
夫の年齢 | 40歳(住宅購入時点) |
購入物件 | 宇都宮市内中古住宅 |
購入価格 | 2,000万円 |
借入額 | 2,000万円 |
借入期間 | 35年(夫の年齢が75歳になったときに完済) |
車の保有台数 | 2台 |
【エピソード】住宅ローンの支払いに追われて「車の維持費」が払えない…?
ここでは、実際にあったしくじりエピソードをご紹介します。
私たちは、宇都宮市内に住む4人家族です。夫はメーカーの営業マン、私(妻)はスーパーのパートで週3〜4日程度働いており、保育園に通い始めた3歳の子どもがいます。
2人目の子どもが生まれたのをきっかけに、アパート暮らしでは手狭だと感じるようになり、転勤のない夫の希望で宇都宮市内の住宅の購入を考え始めました。理想は新築物件でしたが、子ども2人分の教育費を考えると難しいのでは?と思い、中古住宅を探すことにしました。
私たちは、住宅以外の資産として自家用車を2台持っており、これからも好きな車に買い替えることを希望していたため、2台分の駐車場は外せないポイントでした。
車のうち1台は、車好きな夫が結婚前に買ったオープンカーで、20年近く乗り続けています。もう1台は私の車で、通勤用にフィットを所有しています。
少し経って見つけたのが、以下のような特徴がある2,000万円の物件です。
・築18年
・木造二階建て
・3LDK
・車を2台停められる
間取りも子どもがいても生活しやすそうだったので、即決で購入することにしました。世帯年収は600万円なので、夫婦で働き続ければ何とかなるだろうと思っていたのです。
住宅購入後数年間は、順調に住宅ローンの返済ができていました。また、アパート暮らしのときのように、子どもが立てる物音を気にする必要がなくなり、のびのびと動き回れるようになった子どもたちはもちろん、私自身のストレスも減りました。
そして、夫の車を買い替える時期になり、4人家族でも使いやすいSUVを購入しました。
まとまった休みには、キャンプなどのアウトドアを楽しんだり、下の子どもがもう少し成長したらスキー場に行ったりと色々な楽しみが増える…と考えていた矢先に、問題が起こってしまいます。
車を買い替えたのは良かったのですが、維持費のことは念頭になかったのです。よくよく考えてみると、車の維持費は毎月2〜3万円ほど発生します。住宅ローンの返済が毎月6万円、さらに子どもの成長にともない教育費の支出も加わるため、ほとんど手元にお金が残らないことが判明しました。住宅には何の不満もなく、これからも穏やかな生活が送れそうだと安心していた分、ショックが大きかったです…。
上記エピソードの問題点は、住宅購入のタイミングで、その後に発生する費用を明確に理解していなかったことです。2人分の教育費のことを考え、新築ではなく中古住宅に絞ったのは良い判断だったのですが、教育費の具体的な金額や、車の維持費などは把握していませんでした。
具体的な対策方法について、次の章で見ていきましょう。
住宅を購入するときは「車の維持費」や「人生の予算」も把握しましょう
ここでは、前章の内容を踏まえ、車にまつわる支出やライフプラン作成の重要性についてご紹介します。
車の維持費だけで家1軒買えてしまう場合も
今回のエピソードの舞台となった栃木県の世帯当たりの車の普及台数は1.572台で、全国第5位となっています。車1台の維持費は、年間で24〜36万円、10年で240〜360万円、35年(住宅ローンの借入期間と同じ)で840〜1,260万円かかる計算です。
車1台の維持費について、1ヵ月当たりの内訳を詳しく試算したものが、次の表です。なお、自動車税の支払いと車検代の支払いが同時に発生したと仮定しています。また、車種や走行距離などによっても変わるため、目安として参考にしてください。
■車1台の1ヵ月当たりの維持費
項目 | 補足事項 | 金額/月額 |
燃料代 | おもにガソリン代・高速道路利用料・駐車場代を指します。 | 18,000円 |
損害保険料 | 法律で加入が義務付けられている「自賠責保険」と、任意で加入する「任意保険」があります。自賠責保険の金額は法律で定められていますが、任意保険の金額は補償内容などに応じて大きく変動します。 | 5,000円 |
自動車税 | 車の所有者が、毎年5月に支払わなければならない税金です。金額は車の性能によって異なります。 | 3,400円 |
車検代 | 車検は、正式には「自動車検査登録制度」といい、法律で義務付けられています。初回検査は新車登録から3年後、それ以降は2年に1回検査が必要です。 | 4,100円 |
メンテナンス代 | 消耗部品やエンジンオイルの交換費用のほか、車が故障したときや不具合があるときの修理代などを含みます。 | 830円 |
合計 | 31,330円 |
また、車を1台買えば、ずっとその車に乗り続けられるわけではありません。10年も経てば新しい車が必要になるため、35年で3~4台、生涯で5台程度は購入することになるでしょう。
例えば、リーズナブルな軽自動車に乗り続けるとしても、車両代は約600万円なので、35年間で600万円 × 3台=1,800万円程度かかります。この金額に前述した維持費を合わせると、35年間で1,800万円 + 840万円=2,640万円程度かかるでしょう。
さらに、今回のケースのように夫と妻でそれぞれ車を所有している場合は、35年間で2,640万円 × 2 =5,280万円と、一般的な住宅の購入価格より高くなってしまいます。
これらのことを踏まえると、車は「人生で最も大きな買い物」といえます。
したがって住宅ローンを組む際は、住宅ローンの返済だけでなく、維持費を含めた車両費も試算しておくことが大切です。
「みらい家計簿」で人生の予算を把握しましょう
住宅は、人生で最も大きな買い物といわれます。そのため、住宅を購入するタイミングで、数十年先までに発生する支出を把握するとよいでしょう。
上図の「みらい家計簿」では、生涯収入と生涯支出を把握できるため、「住まい適正額(人生で住まいにかけられる費用の総額)」がわかります。住まい適正額がわかれば、その金額をオーバーする物件は必然的に対象外となるため、物件選びをする際の意思決定スピードが上がるはずです。
今回のケースのように車が好きな人なら、住宅費をできるだけ抑えて、車両費に多めに予算を割くような計画も可能です。しっかりと計画することで、住宅ローンの返済や車の維持費などで悩むことがなくなるでしょう。
まとめ:生涯の支出を把握したうえで住宅を購入しましょう
住宅を購入するときは、維持費も含めた車両費や教育費などの「生涯支出」を把握することが大切です。人生でどの費用を優先させたいかも考えつつ、住まい適正額を算出しておきましょう。
クラシカエル不動産なら、住宅はもちろん、その他の生涯支出・生涯収入を踏まえた「90歳までの人生設計」を行なえます。ぜひお気軽にご相談ください。
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